出展のみどころ |
風力発電の最後のターゲットは全地球表面面積の60%以上を占める200mより深い海域である。これ等の深い海域に於いては浮体式の洋上風力発電システムに為らざるを得ない。この様な深い海域は勢い陸地から遠く離れる事が考えられ、保守、メンテナンスが簡単に行なえない事を意味する。複雑な機構を使用せず、ギアやスプリング等の摩耗、疲労に伴う問題が無い事である。数十年先を考えると垂直軸風車の採用は選択肢の一つとして大きな意味を持つ事になる。垂直軸風車のウイークポイントの一つは起動特性の悪さである。その対策として上野様から前縁スラットの採用を提案され、昨年も本アカデミックギャラリーで試作検証報告を行った。これ等の検証結果から、低風速域での回転起動トルクは大きいが、高速域ではあまり効果が無いとの結果であった。今回は可動式の前縁スラットを試作し、低風速域だけで使用出来る様にした。これにより、全風速域において最大効率の垂直軸風車を実現出来る可能性が出て来た。このユニットを前年発表した跳ね上げ方式垂直軸風車に設置する事により、洋上風力発電システムへの応用が可能となる。更に、今回は直径12cmのマイクロ垂直軸風車を三角形に結合された浮力構造体上に設置し、直径55cm、高さ50cmのタンクに水を満たし、姿勢安定性等のデモを行う予定である。 |